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DANSK KERAMIK 展 始めます。 寺町店自己企画展シリーズ

あー、また緊急事態宣言出ましたね。

これからまた暫くは寂しい暇な感じになっていくんですかね。

まあ、こんな時こそ今までに日の目を見なかった子達のお披露目どきかと。

また始めます。自己満足企画展。

今回はDANSK KERAMIK展として、デンマークの陶芸の紹介です。

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ポール・キャドビアスのウォールユニットに展示しています!

デンマークのビンテージ家具にデンマークのビンテージ陶芸。。。

やはりよく合いますね!

 

 

 

 

 

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まずはみんな大好き、PALSHUS.

発音は「パルスフス」ですが、まあ、パルシュス というのが一般的ですね。

おそらく、ペア・リネマン・シュミットとイェンス・クイストゴーの出会いはESLAU窯でしょうか。その後、ペアさんがパルシュスをたちあげた際に、右奥のやきしめのティーポットをデザイン。おそらく、その流れがその後のKRONJYDENのRELIEFにつながっているんでしょうね。

ちなみにそのスーパーエクストリームリイーレアーな焼き締めのティーポット、私の私物です。

 

 

 

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そして最近かなり高騰してきているSAXBO窯。

やはりもともと釉薬研究家であった社長のナタリー・クレプスさんの陶房ですから、その独特の美しい釉薬が感じられる作品たちを並べました。

 

 

 

 

 

 

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グッテ・エリクセンの作品たち。

1948年にバーナード・リーチと合い、おそらく多大な影響を受けたものと思われます。
その後各地を回り、帰国後プライベートスタジオでの作陶。

おそらく誰もこの作品を見て、デンマークの女流作家の作品とは思わないでしょう!

技術とセンスの融合。

 

 

 

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こちらはRICHARD KJAERGAARD窯での、KNUT POULの作品。

焼き締めの素地の内側には白の釉薬を。

箆で削り出したような痕跡も良い。

 

 

ロイヤル・コペンハーゲンの作品も多く展示しています。

 

 

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現地で見かけた時に、いつも、「おっ!」と目をみはる作品たち。

BODE WILLUMSEN.

左の大ぶりなお皿は、JORGEN MOGENSENのもの。

 

 

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NILS THOROSSON大先生の作品たち。

となりは、ALVE SIESBYE。今一番高騰している作家さんの作品です。

 

 

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左から、エヴァステアニールセン(英語で書くの面倒になってきた。。。。)

MELIKE ABABIYANIK、いや読めないから英語で書くしかない。。中央の器。

そして、ぐい飲みはIVAN WEISS。。。。。

 

 

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ガード・ベグルンド。GERD BOGELUND。女性作家。

ロイヤルコペンハーゲンでの作品たち。

 

 

 

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そして。アクセル・サルト。

 

 

 

 

 

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JAIS NIELSEN これもロイヤルコペンハーゲンでのもの。釉薬がけしからん!

香炉だとおもうのですが、上部の蓋が取れない!

 

 

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そして、BANG一族の作品たち。

右側からふたつ、ARNE BANG.

真ん中のグリーンはARNE BANG の息子のJACOB BANG。

左はARNE BANGのお兄さんの、JACOB BANG.

BANG家の家系はもうすでに皆さんご承知の通りですね。

 

 

 

 

 

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色々な資料とともにお楽しみいただければと思います。

今回紹介しているのもまだまだ一部で、まだいろいろありますので、興味のある方はまた個別にお知らせください。

現地でも昔からそんなに簡単に手に入るものではありませんでしたが、ここ最近ではさらに難しく、また値段もかなり上がってきました。

現地の若い世代のコレクターが多くなってきたと思います。

一昔前であれば、ウェグナーやヤコブセンなど家具に関しては現地のディーラーも普通に詳しかったですが、あまりパルシュスやサックスボの話など出来ませんでした。最近では若いディーラーたちがマーケットでも必死でこれらのアイテムを探しています。

私も負けじと年の功で!!てな感じの争奪戦です。

やはりネットでの情報がかなり広がってきているからでしょうね。
また、一部のコレクターが、今まで色々集めてきた私ですらあまり認識していなかった作家たちの作品や情報を本にまとめていたりと。。。

そんなのあったんか!と、新しい発見!私の蒐集癖も止まるところを知らない感じで、現地での争奪戦はまだまだ続きそうです・。。。。

 

 

 

Bang家の謎 二人のJacob Bang

皆様、いかがお過ごしでしょうか?
いいのか悪いのか、寺町通はお昼間は意外に人出も多くなってきました。

お客様の中にも近くまで買い物に来たし寄ってみました、という方も少しずつ増えてまいりました。嬉しい限りです。有難うございます。

ただここで一気に自粛疲れで無理するとまた元に戻ってしまいますので、皆様、十分お気をつけて、少しづつ経済も回っていくように。
ニューノーマルですね。

私たちも皆様が安心してお越しいただけるまで、なんとか粘ってまいります!

 

さて、先日も書きましたが、これからのニューノーマルに向け、ビージェネもしっかりネット販売にも力を入れようと色々試行錯誤しています。

慣れない作業でまさに亀の歩みのよう。。。

なかなか前に進まなくてすみませんが、なんとか形にしたいな、と。。。。

 

 

元々ネットとかってどうなん?と思っていた人間ですが、ここに来て特にINSTAGRAMの力は侮れないな。。。なんて思っています。

そんな出来事の一つ、今回のネタです。

 

 

 

 

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だいぶ前になりますが、(いや!これもINSTAに上げてたから分かる2018年5月。ネットの力!)上記オブジェをアップしました!

そう!

アルネ・バンのフィギュア。

 

 

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アルネ・バンってこんな人。

また後ほど彼の作品たちはお見せいたしますが、北欧ミッドセンチュリーの作家の多くに見られるスタイル(特にデンマーク、スウェーデン)とは一線を引いたような、一人ネオクラシック的な作品を作り続けていた人物。

そのためか、デンマーク国内、海外でも彼だけを集めているコレクターも多かったりするという話をよく聞きます。

 

 

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そんなアルネ・バンの1927年の超レア作品!

すると暫くして、なんとアルネバンの子孫の方から「いいね!』が!

まじか!

めっちゃ嬉しい!!!

 

 

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Anna Bangさん。インスタはannabangart です。

しかも美人!

 

 

 

 

 

そしてそして、後日ビージェネインスタにこの作品を上げました。

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そう!

サインからも分かるように、Arne BangとJacob Bangのダブルネーム!
もう数年前にデンマークで見つけて「アルネとヤコブ兄弟のダブルネーム!!」と!
こんな夢のようなコラボレーションがあるんか!と思い喜んだもんです。

そう、ヤコブ・バンっていったら1920年代からデンマークの王室御用達HOLMEGAARD社でアートディレクターをしてた人物。

グラスデザインのスペシャリストとケラミックアーティストのコラボレーション!

と思っていました。。

 

 

 

そしたら、再度Anna BangさんからINSTAでコメントが。。。

「これは私のお父さんのパイプのマウスピースでデコレーションしたものよ。」と。

おー!そんな個人的な情報までいただけるなんて、なんて優しい!

、、、、、っていうか、お父さん?

ヤコブバン って1890年生まれだし、Annaさんはどう見てもそんなお歳には見えない。。。

いやはや、ヤコブバン っていろんな意味でやり手だったのか?

なんて思いましたが、Annaさんのインスタを見ると

 

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お父さんの写真、この方が彼女のお父さん。

 

 

 

 

いやいや、私の知っているヤコブバンはこの人。

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下記のようなエレガントなグラスたちをデザインしていた人です。

 

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そうなんです!

実は私が二人のヤコブ・バンを一緒に考えていたのです!

 

一人はJacob Eiler Bang。上記の1890年生まれのArne Bangのお兄さん。
建築家でもあり、グラスデザイナー、後々に陶器のデザインもしています。

そしてもう一人、Anna Bangさんのお父さんのJacob Bang。

そう、Arne Bangの息子さんです。

上記のダブルネームは父・子のダブルネームだったんです!!!!

 

ここからは「兄Jacob Bang」「息子Jacob Bang」としますね。

そうなってくると、私が今まで少し訝しく思っていたこともはっきりしてきます。

これもかなり前にデンマークで買い付けたお気に入りの花瓶。

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深いグリーンの色目が美しく、また波打ったようなモチーフとその質感。

 

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現地でヤコブ・バンの作品だ、といわれ裏のサインにもJacobとは言っていますが、どこかエレガントでクラシックなスタイルの兄Jacob E Bangの作風とはどこか共通点がないなと思っていました。

そうなんです、

こちらはAnnaさんのお父さん、ArneBangの息子Jacob Bang。

Arne Bangが息子Jacob Bangとプレイベートスタジオを立ち上げたのが1953年。

息子Jacobは1957年から1962年の間Hegnetslundという工房にも所属していたそう。

その時の作品です。

 

 

 

 

 

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ちなみに上記がArne Bangプライベートスタジオ作品です。
Annaさんによると、右側のたばこ入れはお父さん(息子Jacob)の作品だそうです。

当時製作は父・息子共同製作だったようで、デザインまで手掛けたものが父・息子のだブルネームになっていたそうです。

この時代の作品にはABマークと数字が入っています。
一般的に言われているのは数字が若いほど昔のもの、ということ。

 

1953年にプライベートスタジオを立ち上げたのですが、それ以前は?

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そうです。

ABマークにHGマークが入った、HOLMEGAAARD工房での作品。

これも謎。HOLMEGAARDって言ったら100%の人がガラス工房を思い起こす筈ですが、当時は陶芸もやっていたんですね。

 

ということは、1930年からプライベートスタジオを立ち上げる1953年までホルムガード 在籍だったのかな?

また分かり次第報告します。

ちなみに1930年のホルムガード 在籍前、1926−1929年の間は、Carl Halier(こちらもビッグネーム)とともに、Kobenhavn Stentojs Braenderiを立ち上げ、活動していたようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ちなみにこれ。兄Jacob Bangの作品。

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NYMOLLEにて、1944年から1957年まで在籍していたようです。

 

 

 

 

最後、こちらは兄Jacob Bangの息子、ミカエル・バン。ちなみに長男だそうです!

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こちらの親子も2代続けてホルムガード グラス・アートディレクターを務めています。
個人的にはこれらのPaletシリーズがお気に入りです。

Per LutkenのCarnabyもいいですね!

 

 

また余談ですが、Anna Bangさんの小さな時、よくPer Lutkenが遊びに来ていたようです。

彼が訪れたときはとても楽しいひと時だったそうです。
Per Lutkenの人柄もこれまた見えてきそうです。

 

そんなこんなで、こう言ったお話を私の愛してやまない偉大なる北欧ミッドセンチュリーデザイナーたちのご子孫からこういた情報を得られるなんて、なんて嬉しいんでしょう!!!

これをここに書くまで、スタッフや一部お客さんに、
「実はあのヤコブバン は実は違うヤコブバン で。。。!!!」
「子孫から情報もらっちゃった!!」
みたいに、嬉々として語る私にお付き合いいただき有難うございました!

また、このコラムで勉強していただき、バン一族について語りましょう!