2020明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。

昨年もみなさまのおかげでなんとか無事終わることができました。

去年は年男として老いも感じながら、びっくりするほど早く流れる年月に焦る毎日でした。

今年はお店的にも少しチャレンジな年になりそうです。

また詳細が決まり次第報告させて戴きますが、より一層引き締めてスタッフ一同頑張って参りますのでどうぞよろしくお願い致します。

 

毎年、特に印象的な商品を選んで年賀状にしております。
(恐らく皆様の所には未着だと思います。最終12月31日に投函していますので。。。
毎年のこと、、、こんなところから今年も改善できれば、、と、直せるはずもないのに思っています)

200101

 

カイ・フランクの試作品、ケトルです。
恐らく1959年にカイフランクがデザインし、当時部下であったイエラン・ベック(GORAN BACK)に指示し作らせたものです。
当時何種類か試作したものの中の一つです。
このケトル は真鍮の取手が直角に曲がったなんともモダンで潔い形ですが、そこにラタンが巻きつけられたデザイン。
どこか和のものに通じる部分があるように思います。

また、グリーンがかった黒の釉薬変化も大変面白いものになっています。

イエラン・ベックはその後アラビア社にて素晴らしいデザインのC&Sなどをデザインしたプロダクトデザイナーとして活躍した人物で、彼の初期、彼の手作りによる物です。

 

 

 

カイ・フランクの試作品は何種類かあって、どれもマニアの中では垂涎のアイテムですよね。ある書籍でカイフランクの教えを受けた方が違うタイプのカイフランクの試作品のポットを持っているのを見て、
『いいなー」と思っていましたが、「教え子である」と言う様な繋がりがないと手に入らないですよね。

ある時、なんのタイミングか忘れましたが、たまたまコペンハーゲンの超高級ビンテージ家具ショップのホームページを見ていましたら、そう!このケトル が「デザイナー不明」で載っているじゃないですか!!!(高級ショップですから安くはないが、高くはない!)

もうマジ急いで、まずホームページで注文を入れる!
すぐに現地の知り合いのディーラーに高級ショップの人間とコンタクトとってもらうべく連絡を入れる!

ということで、無事私の手元に来たわけであります。

どうもジョン・ベデル・リッパーという方、デンマークでプロダクトデザイン、また、展示会のキュレーターなどされていた著名な方だったようで、その方の遺品だったそうです。

デンマーク高級店でもフィンランド 物はわからなかった様です。
(裏に薄くサインありましたけどね(笑))

どうでしょう、ここ最近というより、ビージェネレイテッド立ち上げ以来のお宝の中でもかなりの上位品。

フィンランドで各方面(いや、師匠ヨウコ・レコラですが)に話しましたが、流石の師匠もこれには少しびっくりしてくれました(笑)。

 

2019年には神奈川県の美術館で「カイ・フランク展」が開催されていました。

残念ながら遠方で行けませんでしたが、多くの方々が高評価されていて、なぜ関西でもやってくれないのか!という、とても残念な思いが募りました。

カイ・フランクはとても日本が大好きだったようで、何回か日本を訪れています。
だからなのか彼のデザインにはどこか日本の匂いがするというか、親みを覚えるというか、、、、
なんとなくフィンランドと日本っていろいろな意味で似てるな?と思わせる根っこの部分でしょうかね。私も大好きな、いや、大好きというよりは尊敬するデザイナーです。

カイ・フランクは教鞭も取っていて、日本からの学生には「茶室に帰れ、無を求めなさい」と教えたそうです。

日本が大好きで理解も深いカイフランクさんには尊敬と共に、ありがたい、という感謝の気持ちすら生まれてきます。

そのデザイナーの考えや当時の足跡、こう言ったことを教えていただける当時のデザイナーと直接関わった人とのご縁など、当初は普通にウェグナーの名前すら知らず中古家具を輸入して販売していた頃からは考えられいほど、北欧デザインの奥深さにはまってしまっています。

てな、感じの商品でしたが、恐らくこの葉書を見られた方はまさかこれが、カイフランクのデザインだとは思わないかもしれませんし、ましてや、「カイフランクって誰?」っていうかたも多いと思います。

恐らく今年もこんな感じでゴーイングマイウェイな仕入れをして、私自身どんどん深みに嵌って、。

そんなマニアックなお話をまた皆さんに出来たらなあ、と思っております。

引き続き今年もどうぞよろしくお願い致します!