買い付け報告(フィンランド編)タピオウィルカラ木製彫刻展への道

年末から新店の準備で大忙し。
コラムも未だフィンランド買い付け途中でした。急いでコラムでも日本に帰りたいと思います(笑)。

 

   以前のようにものがまだまだあった時期には10ケース弱の箱を日本に送っていたので、タクシーで郵便局まで出向くことも多かったですが、今ではものが少なく、単価も上がっているため、なかなか決まった資金でそこまで集められません。 3-4ケースくらいだったらトラムで十分。もちろん3-40キロくらいありますから持ち上げるには無理があります。旧式のトラムを見送り、新型のトラムを待ちます。日ごろ普通に使っていますが、いざ、新型を待つとなるとなかなか来ないもの。ただ、バリアフリーの乗り口は本当に助かります!
  無事荷物を送り出した後は早速待望の美術館へ!ヘルシンキから車で15分くらい、EMMA美術館。もともと工場だった建物をリノベーションして出来上がった美術館。クールなインダストリアルデザイン系の建物ですが、とても古い建物とは思えないものでした。 
    とにかく目新しい箱モノを、しかも人の金を使って一から作ってしまうどこかの国の考え方とは根本から違いますね(笑)。中で働く職員の人が風邪をひいたらしく、ミュージアムショップと入口のチケット売り場を一人の人で賄っていて、誰も並んでないのにチケットを買うまでに10分ほど待たされました(笑)が、それも入口の階段を上がった瞬間吹っ飛びました。
 展示場に入るといきなりあの10メーターほどのスペシャルピース「ultima thule」が!(コップじゃないよ)
あるお客さんの表現を借りれば、「このオブジェの前で一カ月は白ご飯が食べれる」代物ですよ!その素晴らしい構造物を「まさに」間近に見れますし、ちらっと裏側を見ることも可能です。
 
    採算度外視のただ美しいものを作りたいという欲求だけのために作られた木製彫刻シリーズが当時はたしてどれだけ・どんな種類作られたのかははっきりとはしませんが、今回のこの場に展示されていた数と種類を見れば、それが容易にほぼすべてに近いと分かるはず。多くはウィルカラ・ブルック財団か企業の所有のもので、貴重で壊れやすいこれらを国外に出すことはほぼ難しいのではと思います。
 それこそお宝尽くめ! 
     これなどは序の口です。
  展示も見る人のマナー任せ。ある意味危険な展示。そのオブジェたちの隅から隅まで見れる事も魅力ですし、今回の目的だと思いますが、当時のビデオや家族の写真など、かなりタピオウィルカラのパーソナルな面にもクローズアップされているこの展示は、この期間中行く機会のある北欧好きな方は、ぜひ!お勧めです。(写真はタピオ・ウィルカラとその奥さまルート・ブルックさんです。良い写真です。) 

またこの美術館の常設展示も素晴らしく、私などの美術を知らない輩でも飽きさせることなく楽しめますし家族で来ても一日楽しめそうな美術館です。子供が見たら「芸術って楽しんだな」と思わせる良い美術館だと思いました。建物の件で前述したように色々な意味で関係者は学ぶべきだと思いました。(見る人たちも学ばなくてはいけませんね)